1997 年 14 巻 p. 259-267
本研究では, それぞれ独立に発展してきた土地利用モデルと交通需要予測モデルの理論的背景が同じミクロ行動理論にあることに着目し, これらのモデルを統合し同一のフレームでモデル化した. これによって, 土地利用の交通需要予測を整合性を正確に表現することが可能となり, 交通施設整備による交通需要・土地利用の変化を正確に捉えることが可能となる. また, ミクロ行動理論を下にモデル化しているため, 交通整備の効果を世帯の効用水準の変化 (すなわち, 等価的偏差) として簡単に定義できるといった特徴を有している. さらに, 数値シミュレーションにより, 本モデルが都市間交通整備による都市間通勤の増加を表現できることを確認した.