1997 年 14 巻 p. 277-284
本研究では, 土地区画整理地区を対象とした立地動向分析より, 地区内の基盤整備水準や主要街路からの距離帯などの各種要因に起因する用途ごとの立地場所の選好特性を見いだすこと, 区画整理地区内におけるミクロで詳細な立地メカニズムを表現する立地モデルを構築することを目的として研究を行った. その結果, 立地行動の視点からは, 用途によって立地場所や立地時期, 立地の増加率などに明確な違いがあること, 集散街路へのアクセス抵抗などのミクロな要因が立地行動に大きな影響を与えていることなどが明らかになった. また, 時系列相関項と立地点の近隣の土地利用状況を表す空間相互作用項を導入したミクロ立地モデルを提案し, 熊本市南部第一土地区画整理地区に適用した.