1997 年 14 巻 p. 575-583
本研究では, 同伴者を明示的に考慮し, 同伴者数を内生化した形での交通機関選択モデルを提案した. モデルシステムの定式化にあたっては, 同伴者数と交通機関選択モデルの双方に影響を及ぼす非観測要因の存在, ならびに, 個人の機関選択行動の意思決定構造はその個人が交通行動を行った際の同伴者の人数により異なるものと考えた. そして, ダイアリーデータから抽出されるトリップデータを用いて, 本モデルに含まれる未知パラメータを推定した. 推定の結果, 同伴者数と交通機関選択行動には相関関係が存在すること, 同伴者数とトリップ目的, 個人属性との間には相関関係が存在することが示された. 特に, 同伴者数が増加するにつれて, 時間価値が逓増する傾向にあることが示された.