1997 年 14 巻 p. 59-66
本論文はAHPによる評価結果の正確性と精度を向上するために、一対比較行列の構築手法について検討し、そこに存在する問題を指摘した。さらに、それに対処するために、整合性の見方から、「極めて重要」という定性的程度に対して、変動的定量値という概念を提出し、理論的のみでなく、実用的に、定性的判断関係を的確に定量化するための一対比較行列の新しい構築手法を提案した。最後に、この手法の合理性と適用性を多面的に検証するために、交通経路の選択の実際事例を通じて、固有値法と対数最小二乗法という二つのウェイトの算出手法、1-9尺度、指数尺度、分数尺度及び近似尺度という四つの重要性尺度によってそれぞれ計算し、その算出結果を総合的に比較・評価して、新しい手法の有効性と適正性を説明した。