2001 年 18 巻 p. 529-536
本研究では, まずアンケート調査を基に経路選択行動の解析を行なったところ, 所要時間の短さ以外に経路の分かりやすさ等も重視する傾向があること等が分かった。混雑状況, 信号機・一時停止の数, 道路の走りやすさ, 所要時間差の比率を説明変数とした経路選択行動を表すニューラルネットワークモデルを構築し, アンケート調査の結果を学習データとして与えた結果, モデルの的中率は93%になり, 経路選択行動をよく説明していることが分かった。さらに所要時間差以外の3つの入力値を説明するモデルのための道路条件を抽出し, パラメータの推定を行ない, このモデルを組み込んだニューラルネットワークの適合度を調べた結果, 的中率は89%であった。