2002 年 19 巻 p. 777-785
本研究は、道路線形及び道路付帯施設が運転者のカーブ緩急判定に与える影響を検討したものである。札幌市郊外の国道393号線にて実車実験を行った。6名の男子学生が被験者となった。被験者は、カーブ進入前に緩急を判定すると同時に、カーブ通過後に事前評価を再度評価した。被験者による事前と事後の評価を用いて65の評価対象カーブをクラスター分析から分類した。分類された6つのカーブ群の道路線形及び道路付帯施設を分析した。道路付帯施設が整備されているカーブは、事前評価と事後評価が同じとなるケースが多くなった。一方、道路付帯施設が不足しているとき事後評価が悪くなるケースが多くなった。また、道路付帯施設があっても事後評価が悪くなる場合もあり、適切なカーブ緩急情報伝達対策が必要であるとの結論に至った。緩急情報伝達のための対策を提案し、その効果を検証することが今後の課題として挙げられる。