土木計画学研究・論文集
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バス交通流シミュレーションへのペトリネットシミュレータの適用化研究
木俣 昇西村 武敏四藤 一成
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2002 年 19 巻 p. 793-802

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抄録

バス優先策の検討には, 対象地域に応じた実空間との対応性を意識し, 発想することが肝要となる. 本論文は, 視覚性と空間対応性を特徴とするペトリネット型交通流シミュレータを, この課題に適用するための基礎研究を行っている. まず, 従来のペトリネット型交通流シミュレータでは, 一般車のみを取り扱うものであり, 大型車であるバスのサイズと走行特性を表現する工夫が必要であるとし, 前者については, 一般車の2倍の空間を占める-3の型のプレースを導入し, 閉塞区間を, “バスの存在”, “一般車の存在”, 及び “空間の空き” を示す3つのプレースで記述するネットで対応し, 後者については, Vptimer.txtに-3型のプレースに適用する車速更新表を付加することで対応し, バスと一般車の混合流ネットを開発している. 次に, このネットに, バス停での乗降サービスネット等を結合化させたバスシミュレーションネットを構築し, 金沢市の約1kmの実道路に適用し, バス専用レーンの運用・非運用時のシミュレーションを実行し, 実測調査との比較を行い, 実用化に向けての課題を整理している.

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