2006 年 23 巻 p. 335-344
本研究では, 土砂災害を事例に防災教育のあり方を検討するとともに, 住民主導型の自主避難体制の確立に向けた取り組みを実施し, その取り組みを通して生じた住民の態度・行動変容を計測した. また, このような一地区を対象とした社会実験の効果を効率的に他地域へ波及させることを目的として, 取り組みを実施したことによる効果の波及の実態を把握した. 分析の結果, まず取り組みを実施した地区の住民については, 災害対応に関する意識に大きな改善がみられ, また自助・共助レベルでの行動変容があったことが確認された. 一方, その効果の波及についても, 意識面・行動面で効果が波及していたことを確認することができた.