土木計画学研究・論文集
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まちづくりと連携した鉄道整備の事後評価に関する研究
つくばエクスプレス秋葉原駅の事例
内田 雅洋高津 俊司
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2007 年 24 巻 p. 687-692

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抄録
本研究は、土地区画整理事業等のまちづくりと連携して整備されたTX秋葉原駅を対象として、駅周辺開発者へのアンケート調査、ヒアリング調査、GRAPEによる分析を行い、まちづくりと連携した鉄道整備効果を実証的に分析・評価した。駅周辺の開発者へのアンケート調査では、秋葉原への立地にTXが影響を与えた者が約6割を占め、開発者負担にっいても約6割の者が、肯定的な回答をしている。これはGRAPEによる分析結果で、所要時間の短縮、到達圏域の拡大、秋葉原駅開発地域内の利用者便益 (290億円と試算) とも合致している。さらに、TX開業後の駅周辺の土地価格は、地区の平均に比較して高い上昇率となり約28億円の便益になると共に、TX秋葉原駅の建設費が、開発者の便宜による約110億円の開発者負担金相当により軽減されていると考えられる。これらの結果から、既存駅に併設して新駅を整備する場合でも、駅周辺の開発利益の一部を様々な形態で還元する可能性があることが明らかになった。
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© 社団法人 土木学会
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