抄録
将来首都圏空港容量が不足する可能性に備えた長期的な視点での検討として,東京湾内において再拡張後の羽田と独立に運用することができる新滑走路整備の可能性について,羽田再拡張後の飛行経路および環境制約を前提に飛行方式設定を中心とした技術的な検討を行った.その結果,羽田からの離陸初期段階で比較的低高度での水平飛行などの条件が必要ではあるものの,海ほたるから木更津沖周辺でD滑走路と平行な新滑走路か,または,都心からやや距離があるものの,観音崎付近でA, C滑走路とほぼ平行な独立新滑走路を配置することが可能であることが分かった.更に可能配置例の必要航法精度や既存経路と環境への影響等について比較評価を行った.