抄録
本研究は、地域高齢者の世代間交流型地域活動への参加とソーシャル・キャピタルとの関連について検証した。調査対象者は千葉県A市在住の高齢者(60歳以上)130 名であった。世代間交流型地域活動 (①学校支援ボランティア、 ②高齢者介護ボランティア、 ③育児支援ボランティア、④お祭りの手伝い、⑤伝統継承活動) への参加経験の有無別 (参加あり群/参加なし群)に、ソーシャル・キャピタルの各変数(世代別のネットワーク、規範、信頼) の得点差をウィルコクスンの順位和検定により検証した。その結果、「参加なし群」よりも「参加あり群」において、全ての活動で世代別ネットワーク得点が有意に高く、一部の活動では信頼得点および規範得点が有意に高いことが示された。こうしたことから、世代間交流型地域活動への参加が、地域全体のソーシャル・キャピタルの醸成につながる可能性が示された。