抄録
本稿では、 滋賀県近江八幡市の中学校で実施されている中学生への認知症サポーター養成講座である「認知症啓発授業」を取り上げた。 認知症啓発授業の前後に質問紙調査を行い、認知症に関する知識について質問した。 また、ビデオ感想文の中で使われている認知症高齢者の呼称を一般呼称と特定呼称に分類した。 一般呼称を使っている生徒と使っていない生徒で、認知症知識得点に違いがみられるかを比較検討した。一般呼称を用いて感想文を書いた生徒は、用 いなかった生徒よりも認知症に関する知識を多く習得していた。生徒たちは、 認知症啓発授業で個別の事例を紹介されても、そこから認知症一般に関する知識を学んでいるのだと考える。