舗装工学論文集
Online ISSN : 1884-8176
ISSN-L : 1884-8176
ポーラスアスファルト舗装のもつ都市型洪水抑制効果に関する研究
姫野 賢治大川 秀雄帆苅 浩三川村 彰
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 1 巻 p. 137-142

詳細
抄録
近年急激な都市化に伴いコンクリートやアスファルト等の非透水面積の増加により雨の流出率が大きくなっている. そのため下水道への流出が短時間に集中し, 洪水ピーク流量が増大することによるいわゆる都市型洪水の危険性が増大している.
一方, ポーラスアスファルト舗装は, 通常の密粒度アスファルト舗装とは異なり, 使用混合物の骨材の細粒分を欠き, 粗骨材を多用した混合物であるため, 内部に連続した間隙を有する多孔質な構造体である. このため, 雨天時には舗装表面の雨水を速やかに舗装体内の連続した間隙に浸透させるため, 路面の安全性が高まるといわれている. 間隙に浸透した雨水は, 舗装体の間隙に一旦吸収・貯留された後, 徐々に舗装体から流出する.
本研究は, 数年前に東京都目黒区で生じたヒートアイランド現象による集中豪雨がもたらした下水道溢水事例を用いて, 道路舗装を通常の密粒度アスファルト舗装から以上のような性質を持つポーラスアスファルト舗装とすることによりこのような都市型洪水の危険性をどの程度軽減させることができるかどうかを検討した. その結果, 間隙率が20%の場合も30%の場合も, かなりピーク流量は減り, マンホールからの逆流は防げたであろうことが推定できた.
著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top