ペット栄養学会誌
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原著論文
慢性心臓弁膜症罹患犬における神経体液ホルモンおよび心臓形態に対する心臓病用療法食の影響
戸田 典子宮川 優一遠藤 博明高橋 真理竹村 直行
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2010 年 13 巻 2 号 p. 63-68

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抄録
軽度から中程度 (ISACHCクラス Ia~II) の慢性心臓弁膜症罹患犬12頭に対し、心臓病用療法食 (療法食) を12週間にわたり給与した。療法食開始前、そして療法食開始4、8 および12週間後にナトリウム (Na)、アルドステロン (Aldo)、心房性ナトリウム利尿ペプチド (ANP) およびN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド (NT-proBNP) の血漿濃度を測定し、さらに胸部X線検査および心エコー検査を実施した。その結果、Naは療法食開始後に軽度に低下する傾向がみられたが、有意な変化ではなかった。療法食開始後のAldoは 4 週間後に上昇したが、有意な推移ではなかった。ANPおよびNT-proBNPの血漿濃度、加えて、胸部X線検査および心エコー検査の数値にも有意な変化は認められなかった。以上の結果から、軽度から中等度の慢性心臓弁膜症罹患犬に療法食を導入しても、神経体液ホルモンは活性化せず、心形態は変化しないことが確認できた。
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© 2010 日本ペット栄養学会
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