ペット栄養学会誌
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一般演題
妊娠期と授乳期のL-セリン摂取がマウスの乳汁中遊離アミノ酸組成や仔の発育に及ぼす影響
長町 さつき高倉 真弓西川 拓磨池田 裕美小平 桃子山口 剛史Chowdhury. V.S.安尾 しのぶ古瀬 充宏
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2016 年 19 巻 Suppl 号 p. suppl_36-suppl_37

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抄録

哺乳類の仔の発育には母乳の成分が多大な影響を及ぼし、その栄養素の一つである L-セリンは脳の発達に関与する。本実験では、L-セリンを妊娠マウスに摂取させ、乳汁中の遊離アミノ酸組成や仔の発育及び行動への影響を調査した。その結果、乳汁中のL-セリンは増加したが、L-及びD-グルタミン酸の計、タウリン、L-ヒスチジン、L-及びD-アラニンは減少した。 仔の体重の増加はL-セリン群で芳しくなかったが、理由としては母の摂食量の低下による乳量の減少、乳中の必須アミノ酸であるL-ヒスチジンやタウリンの減少による成長の遅延が考えられた。以上から、L-セリンは血中から乳汁へ移行しやすいが、他の乳汁アミノ酸組成にも影響することで仔の発育を遅延させる可能性が示唆された。

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© 2016 日本ペット栄養学会
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