2018 年 21 巻 2 号 p. 102-105
試験紙による尿中グルコース濃度(尿糖値)の測定は、獣医臨床における腎疾患および糖尿病の検査方法として一般的に用いられている。しかし、試験紙による尿糖値の定量は事実上不可能であるため、イヌならびにネコの尿糖値は現在でも未確定のままである。我々は、ヒト用デジタル尿糖計(UG-120-H; Tanita、Tokyo)を用いて、イヌ(233頭)とネコ(124頭)における尿糖値の計測を行った。健常個体において、イヌの尿糖値(36±17mg/dL)はネコの尿糖値(32±12mg/dL)よりも有意に高かった。 また、イヌとネコ共に、尿糖値は加齢によって増加する傾向が認められた。デジタル尿糖計による本研究の測定結果は、健康なイヌならびにネコの尿糖値が30~40mg/dLであることを示唆している。