ペット栄養学会誌
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原著諭文
  • 小泉 亜希子, 相原 里菜, 浅川 穂乃佳, 櫻田 萌々子, 大辻 一也
    2018 年 21 巻 2 号 p. 89-94
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー
    イヌやネコの栄養評価法としてBody Condition Score(BCS)が広く普及している。BCSはアメリカ動物病院協会(AAHA)や世界小動物獣医協会(WSAVA)が犬猫の栄養診断法として推奨している方法である。BCSは目視と触診によって栄養状態を診断する方法であるが、測定者によるバラツキが生じやすく、精度、信頼性に問題がある。そこでわれわれは、より簡単で精度の高いBCS評価を行うために、体長と現体重からBCSを推定する方法を検討した。いくつかの測定部位を検討した結果、胸骨端から坐骨端距離と標準体重の間に高い相関関係のあることを見出した。この回帰式を用いて体重から標準体重を求めることが可能となった。その個体の標準体重と現体重との乖離からBCSを求めることができる。つまり、体長と現体重を測定することで、BCSを推定できる。この研究によって、従来の方法に比べてより簡単で精度の高いBCS評価ができる可能性がある。
  • 小泉 亜希子, 青山 加奈, 守下 万紀子, 杉山 佳和, 大辻 一也
    2018 年 21 巻 2 号 p. 95-101
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー
    Body Condition Score(BCS)は、世界中の臨床獣医師が実施している小動物の栄養評価法である。この方法は、視診と触診による主観的方法であり、評価者によって評価値がばらつくことが知られている。この評価者によるばらつきを少なくするために、われわれは犬のBCS触診モデルを試作した。前報でこのBCSモデルを用いることで、評価者によるばらつきが少なくなることを報告した。本研究では製品化したBCS触診モデルを臨床獣医師とイヌの飼い主に評価させた。その結果次のことが明らかとなった。 獣医師は臨床で比較的頻繁に栄養評価を行い、飼い主に栄養指導していた。動物病院に来院するイヌの肥満の割合はかなり高いことが予想された。BCSモデルと実際のイヌの触診感覚は良く一致していた。 BCSモデルは臨床での栄養指導において、獣医師と飼い主のコミュニケーションツールとして有用であることが示唆された。飼い主の多くはBCSについて知らなかった。飼い主はBCSモデルがあることでイヌの栄養状態が理解しやすくなることが示唆された。
  • 樋渡 敬介, 土井 公明, 水野 理介, 横須賀 誠
    2018 年 21 巻 2 号 p. 102-105
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー
    試験紙による尿中グルコース濃度(尿糖値)の測定は、獣医臨床における腎疾患および糖尿病の検査方法として一般的に用いられている。しかし、試験紙による尿糖値の定量は事実上不可能であるため、イヌならびにネコの尿糖値は現在でも未確定のままである。我々は、ヒト用デジタル尿糖計(UG-120-H; Tanita、Tokyo)を用いて、イヌ(233頭)とネコ(124頭)における尿糖値の計測を行った。健常個体において、イヌの尿糖値(36±17mg/dL)はネコの尿糖値(32±12mg/dL)よりも有意に高かった。 また、イヌとネコ共に、尿糖値は加齢によって増加する傾向が認められた。デジタル尿糖計による本研究の測定結果は、健康なイヌならびにネコの尿糖値が30~40mg/dLであることを示唆している。
総説
解説
日本ペット栄養学会 第20回大会
〔シンポジウム〕動物における「マイクロバイオーム」研究の現状と応用
〔市民公開講座〕
〔一般演題〕
  • 山田 賢次, 福井 祐一
    2018 年 21 巻 2 号 p. S27-S28
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー

    近年、特許戦略は企業において重要な位置を占めるようになってきている。しかし、 今までペットフード会社における特許戦略と傾向の発表は未だなく、企業間の成長戦略においては重要な位置を占めてきている。そこで今回、入手できる世界特許・国内特許からパテントマップ等を用いて解析した企業における開発戦略、嗜好性に関する特許の一部や検索方法を解析した。競合会社の開発動向、事業動向等を知るうえで、今までとは異なる手法での解析だが、有用な情報源であることが示唆された。

  • 福井 祐一, 山田 賢次
    2018 年 21 巻 2 号 p. S29-S30
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー

    近年、犬猫の飼育頭数においては、猫の飼育頭数が2017年犬を上回り、ますます猫 の市場性が犬より重要視される時代になり、また、獣医学の発展により平均寿命も延び、高齢化が叫ばれ、健康で暮らすためには、猫も好んで食べるという嗜好性はさらに重要性を増している。また、嗜好性に関する研究・報告は少なく、明らかにされていない。そこで今回、特許・文献検索から嗜好性における5大成分、脂質、粘度、pH等を解析した。これらの項目は複数企業で嗜好性向上項目として特許申請、論文発表をしているので、この手法を用いた解析は有用であることが示唆された。

  • 山田 賢次, 福井 祐一
    2018 年 21 巻 2 号 p. S31-S32
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー

    近年、技術が進歩して遺伝子解析等の手法が用いられる時代になってきたが、未だ、 猫における嗜好性に関する研究・報告は少なく、明らかにされていない。そこで今回、嗜好性において香りの成分で重要であるメイラード反応物質(フラノン、ピラジン等)、味覚の部分で重要であるアミノ酸、核酸系調味料・ピロリン酸について特許・文献検索から解析した。 これらの項目は複数企業で嗜好性向上項目として特許申請、論文発表をしているので、この手法を用いた解析は有用であることが示唆された。

  • 森井 知里
    2018 年 21 巻 2 号 p. S33-S35
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー

    私は健康管理において食生活は重要であり、ペットの健康を維持するためには獣医 師や栄養学の専門家が行う予防や治療における栄養面の取り組みと、日々の飼い主のペットの食事への取り組み両方が重要であると考える。そのためにはペットを飼っている飼い主の声、要望を聞き、ペットの食生活に関する現状を分析することが必要であると考えた。そこで本研究では、質問紙調査を用いてペットの食生活の実態やペットを飼っている飼い主の食育・栄養支援のニーズについて明らかにし、家庭における食育・栄養支援のあり方について検討した。

  • 辻本 綾子, 辻本 義和
    2018 年 21 巻 2 号 p. S36-S37
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー
    亜鉛と銅はイヌの手作り食においてAAFCOの養分基準を満たすのが難しい微量ミネラルである。本研究では手作り食・ドッグフード食の犬の血清亜鉛濃度及び血清銅濃度を比色法にて測定比較し、栄養指導における血中濃度測定の有用性を検討した。血清亜鉛濃度は人では日内変動がある[2]とされ、今回同一個体のイヌではあるが、4パターンの食事を1か月与えた後で日内変動を測定した。手作り食群・ドッグフード食群ともに血清亜鉛濃度の平均値は基準値64-198μg/dl内であったが、手作り食群の方が低値で、有意な差が認められた。また手作り食群16例中5例で血清亜鉛濃度が基準値以下であり、手作り食時には亜鉛欠乏を注意する必要があるといえた。一方、血清銅濃度ではドッグフード食群の平均値85.2μg/dlが基準値46-76μg/dlを超える結果となった。AAFCOの養分基準では銅の上限は決まっておらず、ドッグフード中の銅の蓄積と慢性肝炎の関連も報告されている[1]ことから、今後症例数を増やし関連性を検討したい。顕著な日内変動は認められなかった。本研究より、血清亜鉛や血清銅の測定は栄養指導時の一つの指標となる可能性が示唆された。
  • 馬場 亨太, 清水 いと世, 舟場 正幸, 松井 徹
    2018 年 21 巻 2 号 p. S38-S39
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー

    成書およびインターネットから収集した維持期のネコ用手作り食レシピ中の栄養素含量をAAFCO養分基準(2016)と比較し、充足・過剰を検討した。食品成分表等を用いて、各レシピの代謝エネルギー(ME)あたりの栄養素含量を算出した。なお、タウリン含量に関しては、論文等で報告されている食品中タウリン含量を用い算出した。粗タンパク質および必須アミノ酸、粗脂肪、必須脂肪酸はほとんどのレシピで充足していた。チアミン、コリン、タウリン、ならびにセレンを除く微量ミネラルを充足していない場合が多く、半数以上のレシピでカルシウムは著しく不足していた。一方、メチオニンが過剰となっているレシピが4分の1以上あり、ヨウ素、ビタミンA、ビタミンDが過剰となっているレシピがわずかに認められた。本試験で示された不足しがちな栄養素に注意を払ったレシピを設計する必要があることが示唆された。

  • 田端 佑規, 植松 沙也加, 四童子 好廣
    2018 年 21 巻 2 号 p. S40-S41
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー

    ゲラニルゲラノイン酸(GGA)はレチノイドの一種で、ウコンなどに含まれる栄養素である。我々は以前、マウス繁殖時の餌にGGAを添加すると交配数あたりの離乳仔数(生産指数)が増加することを見出し、特許を取得している。また、その際、GGA食で生まれ授乳された1週齢の仔マウス脳海馬歯状回において脳由来神経栄養因子(BDNF)発現量が顕著に増加することなどを見出したが、これらが哺乳動物の普遍的な作用であるのかなどは不明なままである。そこで本研究ではGGAによる生産指数の増加が他の系統のマウスにおいても再現できるか検討することとした。その結果、以前の観察と同様にGGA投与により生産指数の増加が確認された。しかし、今回はGGAにより受胎や分娩の効率が増加したというよりは、母親マウスの食殺行動の抑制が生産指数の増加に至る可能性が示唆された。

  • 小田 民美, 平松 朋子, 森 昭博, 左向 敏紀
    2018 年 21 巻 2 号 p. S42-S44
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー

    GIP、GLP-1は食事摂取によって分泌され、血糖依存的にインスリンを分泌させる他、 様々な臓器で多様な作用を持ち栄養代謝活性に関わる消化管ホルモンである。ヒトでは、特に食事中の糖質と脂肪がインクレチン分泌を促進することが知られ、さらに脂肪酸組成により分泌量が変化することが知られている。我々は過去に猫のインクレチン分泌と食事組成の関係について研究を行ない、猫のGIP分泌は高脂肪食で最も大きくなることを明らかにした。 この研究をもとに、食事中の脂肪が猫のインクレチン分泌にどのような影響を及ぼすのかを検討した。ラード、大豆油の2種の脂肪添加食給与によって、インクレチン分泌、特にGIP分泌が有意に上昇した。しかし、ラードと大豆油でのインクレチン分泌の差は認められなかった。

  • 池田 裕美, 髙木 伸哉, 草場 祥雄
    2018 年 21 巻 2 号 p. S45-S46
    発行日: 2018/07/10
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル フリー
    イヌやネコの死因の第一位にある癌の中でも乳腺腫瘍に対し、血漿および尿中のL型ならびにD型遊離アミノ酸がバイオマーカーとなりうるか否かについて検討を行った。その結果、血漿中の遊離アミノ酸が乳腺腫瘍の診断への有効なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。
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