ペット栄養学会誌
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原著諭文
イヌの栄養診断におけるボディコンディションスコアモデルの有用性(第2報)
獣医師およびイヌの飼い主に対するアンケート調査
小泉 亜希子青山 加奈守下 万紀子杉山 佳和大辻 一也
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2018 年 21 巻 2 号 p. 95-101

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抄録

Body Condition Score(BCS)は、世界中の臨床獣医師が実施している小動物の栄養評価法である。この方法は、視診と触診による主観的方法であり、評価者によって評価値がばらつくことが知られている。この評価者によるばらつきを少なくするために、われわれは犬のBCS触診モデルを試作した。前報でこのBCSモデルを用いることで、評価者によるばらつきが少なくなることを報告した。本研究では製品化したBCS触診モデルを臨床獣医師とイヌの飼い主に評価させた。その結果次のことが明らかとなった。 獣医師は臨床で比較的頻繁に栄養評価を行い、飼い主に栄養指導していた。動物病院に来院するイヌの肥満の割合はかなり高いことが予想された。BCSモデルと実際のイヌの触診感覚は良く一致していた。 BCSモデルは臨床での栄養指導において、獣医師と飼い主のコミュニケーションツールとして有用であることが示唆された。飼い主の多くはBCSについて知らなかった。飼い主はBCSモデルがあることでイヌの栄養状態が理解しやすくなることが示唆された。

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© 2018 日本ペット栄養学会
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