ペット栄養学会誌
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原著論文
ヨーグルト乳清の経口投与がラットの脳内遊離アミノ酸濃度に及ぼす影響
川瀬 貴博古瀬 充宏
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2019 年 22 巻 2 号 p. 84-94

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抄録

乳清はヨーグルトやチーズ、バターを製造する際に生じる副産物であり、ヒトや家畜の食品原料の一部に利用されている。我々は将来、ペットフードの原料としてヨーグルト乳清を利用することを目指し、下記の検討を行った。ヨーグルト乳清の機能性評価のため、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus 2038 及び Streptococcus thermophilus 1131を利用したヨーグルトの乳清の経口投与が、ラットの行動及び脳内遊離アミノ酸濃度に及ぼす影響を調査した。ラットの行動はオープンフィールド試験及び強制水泳試験により評価した。血漿及び脳内の遊離d及びl型アミノ酸濃度は、超高速液体クロマトフラグフィー蛍光検出器により定量した。その結果、視床、視床下部及び脳幹内における特定の遊離アミノ酸濃度は、乳清投与により変化したものの、ラットの行動に影響は認められなかった。以上より,将来的にヨーグルト乳清をペットフードの原料として利用するためには,更なる機能性の評価の検証が必要であると考えられた。

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© 2019 日本ペット栄養学会
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