2011 年 67 巻 6 号 p. II_501-II_512
本研究は,石狩湾新港地域でのバイオガス化システムの事業化に向けて,排出者の協力度と賦存量から,特に施設の規模設定のために重要な食品廃棄物(一般廃棄物を対象)の収集量を推定する手法を提案し,その収集量に与える影響要因を明らかにすることを目的とした.本手法では,選択問題によく用いられている2項ロジットモデルを,食品廃棄物の分別排出行動に適用し協力度を算出することを試みた.また,排出者の意向を反映した精度の高いモデルの構築を目指し,分別排出協力への影響要因を抽出した後に選好調査を実施する2段階の調査を行った.その結果,石狩湾新港地域で72 [t/日]の食品廃棄物が収集可能と推定された.また,家庭では「処理手数料」が,小売業・飲食業では「分別精度」が収集量に大きな影響を及ぼすことを明らかにした.