2026 年 29 巻 1 号 p. 31-38
ネコにおいて、肥満は様々な疾患との関連が示唆されており、その予防および改善は重要な課題である。食肉および魚肉には、抗酸化作用を有するイミダゾールジペプチド(IDP)であるカルノシンおよびアンセリンが多く含まれている。先行研究では、猫にカルノシンをフードへ添加して給与した際に抗肥満効果が確認されている。本研究では、国内における市販成ネコ用総合栄養食(通常ウェット製品18種、通常ドライ製品36種および肥満用ドライ製品9種)計63種におけるIDP含量を調べた。カルノシン、アンセリンおよび総IDP含量において、通常ドライ製品および肥満用ドライ製品は通常ウェット製品に比して少ないことが認められた。総IDP含量とたんぱく質量との間に正の関連が認められ、食肉や魚肉がネコ用総合栄養食の主要なたんぱく質源であることを踏まえると、たんぱく質量はIDP含量に影響を及ぼす要因の一つと考えられる。原料の種類が影響を及ぼしうるカルノシンとアンセリンの比率には、フードの種類による影響は認められなかった。今回分析した全製品の6割以上においてカルノシンよりもアンセリンの含量が高かったことから、アンセリンも抗肥満効果を有するのか今後調べる価値がある。