ペット栄養学会誌
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糖尿病の食事管理
左向 敏紀
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2000 年 3 巻 Supplement 号 p. 32-34

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抄録

糖尿病(diabetes mellitus:DM)は膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるインスリンが相対的または絶対的に不足した時に起こり,生体内の糖質・脂質・蛋白質などの代謝異常を引き起こす疾病である。血中ブドウ糖値は腎閾値の160-200mg/dLしを越え・尿中に排泄される。多尿,多飲,脱水などを引き起こす。またブドウ糖の不足により蛋白質からの糖新生体蛋白の消失が起こる。また体脂肪は肝臓へ動員され,ケトン体の生成,脂肪肝の原因となる。
糖尿病の治療目的はただ単に,生命を維持すうだけの治療ではなく・合併症発生の可能性を低くするため,日内血糖値を正常に近い変動内にし,Quolity of Lifeをめざす必要がある・我々は,治療目標随時尿糖(-),血中グルコース値150mg/dL以下,最低血糖値50mg/dL以上としている。
糖尿病の食事療法は治療の基本であり,病型やインスリン等の薬物使用の有無に関わらず行う必要がある。食事療法目的は高血糖時間・変動を少なくし,体内におけるインスリン必要量を節約することである。しかし,インスリン非依存性糖尿病(non-insulindependent diabetesmellitus:NDDM)とインスリン依存性糖尿病(insulin dependent diabetes meliitus:lDDM)により理論も実際も異なる。

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