2004 年 7 巻 Supplement 号 p. 35-36
イヌおよびネコの健康維持を目的としてスフィンゴミエリン(SM)に着目し,先ずマウスを用いたモデル実験によりその利用性と効果を調べた。SMの経口投与により,発癌物質で誘発した大腸の異常陰窩病巣の形成(癌化)が抑制されることが確認された。しかし,SMの吸収率は低かったので,腸粘膜細胞に吸収されやすい形であるセラミドやスフィンゴシン,特に後者への分解が制限要因となると考えられた。しかし,イヌの腸管内にもSMやセラミドを分解する腸内細菌が存在したことから,そのような菌の数を増加させることにより,SMを効率良く利用させることができると考えられた。