抄録
カテキン類を主成分とする緑茶抽出物をネコに3週間(実験1)および5週間(実験2)給与し,糞のにおい強度と糞中の腐敗・悪臭物質(フェノール類,アンモニア,揮発性脂肪酸)含量の変化を調査した。その結果,腐敗産物であるフェノール類は糞から検出されないこと,および糞のにおい強度,糞中のアンモニアと揮発性脂肪酸含量は,緑茶抽出物給与によって必ずしも減少しないことが示された。以上の結果から,本実験で給与した程度の緑茶抽出物量(カテキン類含量27.5%の緑茶抽出物,50-75mg/kg体重/日)ではネコ糞の悪臭を効果的に低減しないと考えられた。