くすりと糖尿病
Online ISSN : 2188-5885
Print ISSN : 2187-6967
ISSN-L : 2187-6967
原著論文
冠動脈バイパス術が施行された2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬の術後アシドーシスに与える影響
増本 憲生豊田 紗和子土肥 麻貴子入江 慶奥貞 智池末 裕明橋田 亨松岡 直樹室井 延之
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 13 巻 1 号 p. 31-37

詳細
抄録

血糖コントロール改善だけでなく心血管イベントも抑制するsodium glucose cotransporter 2(SGLT2)阻害薬は,術後アシドーシスの発症に注意する必要がある.今回,神戸市立医療センター中央市民病院の心臓血管外科にて冠動脈バイパス術が施行された患者を対象とし,SGLT2阻害薬と術後アシドーシスの発症について調査した.対象63名のうち術後アシドーシスを発症した患者は11名であった.そのうち糖尿病薬を服用していた患者は7名で,SGLT2阻害薬を服用していた患者は2名であった.術後アシドーシスの発症にはeGFR低値が有意に関連していた(P=0.041)が,一方でヘモグロビンA1c値やSGLT2阻害薬をはじめとする糖尿病薬の投与のいずれも有意な関連を認めなかった.冠動脈バイパス術のような侵襲性の高い手術を行う場合は,糖尿病薬の有無に関わらずアシドーシスの発症に注意する必要がある.

著者関連情報
© 2024 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会
次の記事
feedback
Top