抄録
本研究の目的は,日本人学習者に対する英語トーンの教授可能性について,その一側面の検討を行うことで,イントネーションの教室指導や実践研究に貢献することである。UME-ERJ内に収録されている30名分の音声データをPraatで計測した。その結果,日本人英語学習者のトーンのピッチ変動幅は4.3 st程度で,トーンの方向を指示通りに正しく発音できる割合は約77.8%であることがわかり,トーンの教授可能性はあることが示唆された。また,日本人英語学習者は上昇調の発音は得意であるが,下降調および下降上昇調は不得手とする傾向が観察された。トーンの機能別に見てみると,日本人英語学習者は文法的機能の発音は得意であったが,談話的機能は不得手であった。