霊長類研究 Supplement
第34回日本霊長類学会大会
セッションID: P44
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ポスター発表
動物園における行動観察実習後の追跡調査
*赤見 理恵
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抄録

霊長類を含む野生動物に関する教育の場として,また環境教育や持続可能な開発のための教育の場として,動物園の教育的役割に対する期待は大きい。動物園ではさまざまな教育プログラムが実施されており,教育効果を客観的に評価した研究も多く見られるようになった。しかしそのほとんどが直後のアンケート調査によるもので,中長期的な学習効果に関する研究は稀である。そこで本研究では,日本モンキーセンターにおいて既に効果が認められた教育プログラム(赤見ほか.2015)について,追跡調査をおこなった。2017年の5月と7月に来園した2大学の学生計180人に対し,約半日の教育プログラムを実施した。学生を数グループに分け,それぞれ1種の霊長類を対象に個体識別,行動観察,データ集計,結果発表会と種間比較をおこなった。学習前後に「霊長類」を刺激語とした自由連想法調査をおこない,顕著な変化の見られた学生27名に事後インタビューへの協力を依頼し17名の協力を得た。インタビューは同年7月から10月の期間に1人あたり約30分実施した。その結果,多くの学生が観察した個体名や観察中の行動を詳しく記憶していた。チンパンジーのディスプレイ,マンドリルの母性的な行動など,自分の目で見たエピソードで,かつ既知のイメージと異なるような行動が良く記憶されていた。再度実施した自由連想法調査の結果は,学習前よりも学習後の結果に類似していた。これらの結果から,学習直後に顕著な変化が見られた学生では,一部の記憶や意識変容が約半年間持続することが示唆された。今後は本結果をもとに調査票を作成し,全学生を対象とした追跡調査を実施するとともに,学習のプロセスについても詳細に考察し,今後の教育プログラムや展示改修等に活かしていきたい。

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© 2018 日本霊長類学会
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