2023 年 4 巻 p. 69-77
今日,オーラル・コミュニケーションを目指した英語教育という大命題が席巻していことに鑑みれば,楷書的なデフォルト・パタンのみに拘泥するのは非現実的にある。それ故,教師に求められるのは,「楷書的」イントネーションと「草書的」イントネーションとの基本的な違いを認識し,バランスを取りながらイントネーションを教えることである。そこで,本稿では,検定教科書準拠の音声資料をいくつか紹介することを通して,「決まりきった規則」から逸脱してみえる,文脈を踏まえたイントネーション (intonation in context) への向き合い方を提示する。