Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
Original Articles
新規ストリゴラクトン情報伝達阻害剤2-methoxy-1-naphthaldehydeの発見と活性評価
間下 大樹志小石原 暉福井 康祐中村 英光浅見 忠男
著者情報
ジャーナル フリー HTML
電子付録

2016 年 41 巻 3 号 p. 71-78

詳細
抄録

近年,ストリゴラクトンの生合成や情報伝達に関する研究は飛躍的に進展しており,ストリゴラクトン加水分解活性も併せ持つストリゴラクトン受容体D14の構造に関してもその結晶構造が詳細に解析されている.筆者らはこれまでにD14とストリゴラクトンの相互作用について解析し,X線結晶構造解析によりD14によるストリゴラクトン加水分解産物であるD-OHがD14に再認識されることを見出した.本研究ではこの結晶構造解析情報を利用してファーマコフォアモデルを構築しin silicoスクリーニングを行い,約470万の化合物ライブラリーの中から受容体に結合することが予測された候補化合物XM-47を得た.またXM-47は水溶液中で容易に2-methoxy-1-naphthaldehyde (2-MN)へと加水分解することが予測されたが,酵母ツーハイブリッド系やイネへのストリゴラクトン作用の解析系を用いた実験の結果,2-MNがストリゴラクトン情報伝達阻害剤として機能することが示された.

著者関連情報
© 2016 日本農薬学会
前の記事 次の記事
feedback
Top