1989 年 14 巻 3 号 p. 351-357
新農業用殺菌剤 ferimzone (申請中の一般名, 2′-methylacetophenone 4, 6-dimethyl-2-pyrimidinylhydrazone) の創出に至った前報までの芳香族カルボニル化合物の2-ピリミジニルヒドラゾン類に対して, 本報では ferimzone の芳香族部分を相当する脂肪族と置換する可能性について検討した. その結果, 殺菌性発現に求められる既得の構造的要件のうちに新たな寛容性を見出し, ferimzone に匹敵する殺菌活性を保持しつつ, しかも幾何異性体問題から解放されたきわめて単純な構造の脂肪族対称型ケトンのヒドラゾン体にまで還元できることを知った. これらの活性脂肪族同族体に至る合成経緯と殺菌活性について述べる.