抄録
エンバクに対してファイトアレキシン誘導活性を示す4種のエリシター (N-アセチルキトペンタオース, キトペンタオース, 銀イオンおよびビクトリン) について, それらの1) 電解質漏出作用, 2) エリシター活性に及ぼすカルシウムイオン添加の影響, 3) エリシターが誘導する代謝物の組成を比較した. いずれの場合においてもN-アセチルキトペンタオースとそれ以外のエリシターは異なった作用を示し, この結果からエンバクにおけるファイトアレキシン誘導機構は少なくとも2種類存在することが示唆された. N-アセチルキトペンタオース以外のエリシターでは, それらがもたらす細胞膜傷害作用が引き金となって2次的に誘導が起こると考えられるのに対して, N-アセチルキトペンタオースによる誘導は, 何らかのレセプターを介した, より直接的な機構によるものと推察される.