抄録
目的 本研究の目的は,在宅の健常な男性高齢者を対象として,基礎体力と生活習慣および健康状態との関係を明らかにすることであった。
方法 被験者は60~89歳までの男性高齢者304人であった。テストの安全性,信頼性および実用性を考慮し,筋機能,関節機能,神経機能および肺機能の 4 体力領域から11パフォーマンステスト項目を選択した。生活習慣および健康状態を測定するために40項目からなる調査票を作成した。体力11変量からなる相関行列に主成分分析を適用した。基礎体力に対する生活習慣および健康状態の影響を検討するために,Cramer の連関係数および数量化理論第I類の統計的手法を用いた。
成績 Cramer の連関係数は,夕食の量にのみ有意であった。基礎体力と年代,生活習慣および健康状態との間に有意な重相関係数(0.596, P<0.01)が認められ,基礎体力と年代,睡眠時間および現在の通院状況の 3 項目の偏相関係数が高かった。
結論 基礎体力は加齢とともに低下する。睡眠時間のとり方あるいは病気やけがによる通院のないことが基礎体力の低下と関連があると推測された。