日本公衆衛生雑誌
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外来患者の服薬アドヒアランスに関する調査報告
笠原 聡子大野 ゆう子菅生 綾子
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2002 年 49 巻 12 号 p. 1259-1267

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抄録
目的 慢性疾患の増加や在院日数の短縮化にともない外来で長期にわたり内服治療が必要な患者が増加してきた。本研究では外来で服薬治療を受けている患者の服薬アドヒアランスについて検討した。
方法 調査対象は1998年10月のある一日における O 大学附属病院の外来再診患者のうち服薬処方をうけているものとした。外来受診時に服薬に関する20項目からなる質問紙調査を行い,回答のあった943人について,服薬アドヒアランス群とノンアドヒアランス群を判別分析により比較した。
結果 服薬アドヒアランスの割合は87.9%であった。飲み忘れの理由はついうっかり,外出時の持参し忘れ,副作用への恐れなどがあった。外来で服薬に関する詳しい説明を受けている人ほど理解度は高くアドヒアランスも良好であった。94.8%の人が少なくとも一度は服薬に関する説明を受けているにもかかわらず,76.9%の人が何らかの不安を感じていた。服薬アドヒアランスが低い人には,飲み忘れないように声をかけてくれる人が身近にいない,服薬に関する不安がある,服薬に関する説明をうけていない,服薬についての理解度が低い,20歳代の若い年齢層に多いなどの特徴があった。
結論 O 大学附属病院における服薬アドヒアランス率は高かったが,ほとんどの人が服薬に関する何らかの不安を感じていた。アドヒアランスの予測因子として,周囲のサポートなど患者の生活と関係のあるものがあげられたことから,患者の生活に適した服薬援助が重要であるといえる。
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© 2002 日本公衆衛生学会
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