抄録
目的 生殖医療の影響等もあってその出生割合が増加し注目されている多胎児については,適切な出生体重評価の必要性が高まっている。今回人口動態出生票による多胎児の妊娠期間別出生体重基準の作成を試みた。
方法 人口動態調査出生票・死産票の昭和63年から平成 3 年までの磁気テープ(統収第201号により承認)を用い,生まれたところ,生まれた場所,父母の年齢,妊娠週数により,第 1 子,第 2 子とも生産の同一妊娠による双胎の組,生産—生産ペア32,232組,生産—死産ペア679組,死産—生産ペア278組を同定した。3 胎は744組のうち生産1,894例を,4 胎は206例を解析に用いた。磁気テープの出生体重の値は100 g 未満切り捨てであった。
結果 双胎では,出生体重は男子が女子より,経産が初産より,第 1 子が第 2 子より,異性ペアが同性ペアよりそれぞれ大きかった。男女別初産経産別妊娠週数別出生体重と厚生省研究班の単胎のそれを比較すると,34週までは男女とも0.1 kg 程度小さく,その後差は大きくなり,41週では0.42 kg~0.64 kg に差が開いていた。
考察 出生票による妊娠期間は信憑性に限界があり,100 g 刻みであるため有効数字にも問題があるが,例数としては極めて大きいものである。双胎の出生体重基準は,単胎のそれと異なることが明らかになった。