日本公衆衛生雑誌
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原著
介護保険における要介護疾患と要介護未認定期間(健康寿命)
武田 俊平
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2002 年 49 巻 5 号 p. 417-424

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抄録
目的 地域在住高齢者の健康状態を全体的に把握するために,介護保険における要介護等認定者数を基に要介護未認定期間(健康寿命)を算出するとともに,要介護等の原因疾患を分析するために,高齢人口 1 万対要介護時間を算出した。
方法 仙台市太白区に在住する65歳以上の要介護等認定者数を基に Sullivan 法によって要介護未認定期間を算出した。さらに,同じ要介護等認定者数を基準人口によって年齢調整した上,要介護度に対応する要介護認定等基準時間を基に,65歳以上の高齢人口 1 万対年齢調整要介護時間を,主治医意見書における要介護等の原因疾患ごとに算出した。
成績 要介護等認定者は,65歳以上の男の人口の7.5%(年齢調整後7.7%),女の人口の12.5%(年齢調整後10.7%)を占めた。男の場合,要介護未認定期間は,65歳で16.1年,75歳で9.2年,85歳で4.4年であり,要介護期間は2.0~2.1年だった。女の場合,要介護未認定期間は,65歳で19.3年,75歳で11.1年,85歳で4.8年であり,要介護期間は4.6~5.3年だった。さらに,高齢人口 1 万対年齢調整要介護時間は,男が874時間,女が1,125時間であり,そのうち,男の場合,脳血管疾患が51%(うち,脳梗塞が40%),痴呆性疾患が11%を占め,女の場合,脳血管疾患が37%(うち,脳梗塞が26%),骨格系疾患が20%,痴呆性疾患が18%を占めた。
結論 要介護未認定期間は,女が男より,65歳で3.7年,75歳で2.3年,85歳で0.5年長いが,要介護期間も,女が男より,65歳と75歳で3.2年,85歳で2.6年長く,女の介護予防が緊急の課題である。要介護等の原因疾患として,男の場合,脳血管疾患(とくに,脳梗塞),痴呆性疾患が多く,女の場合,それに加えて,骨格系疾患が多く,これらは三大要介護疾患と言える。
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© 2002 日本公衆衛生学会
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