日本公衆衛生雑誌
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原著
特別養護老人ホーム入所者の家族介護者における精神的健康とその関連要因
深堀 浩樹須貝 佑一水野 陽子松井 典子杉下 知子
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2005 年 52 巻 5 号 p. 399-410

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抄録
目的 本研究は,特別養護老人ホーム入所者の家族介護者の精神的健康の実態を把握し,その関連要因を明らかにすることを目的とした。
方法 東京都内の特別養護老人ホーム 3 施設の入所者の在宅生活時における家族介護者189人を対象に無記名自記式調査票による質問紙調査を行った。家族介護者の精神的健康の測定には,Goldberg らにより神経症患者のスクリーニングを目的に開発された尺度である精神的健康調査票(General Health Questionnaire)28項目版を用い,関連要因として家族介護者に関する要因,入所者に関する要因,家族介護者と入所者の関係に関する要因の 3 項目を想定した。分析にはロジスティック回帰モデルを用いた。
成績 分析対象となった家族介護者145人のうち,精神的健康が低かった(GHQ-28≧7 点)人は59人(40.7%)であった。ロジスティック回帰分析の結果,精神的健康と関連がみられたのはソーシャルサポート,入所者に対する面会時間であり,精神的健康はソーシャルサポートを受けている人ほど高く(OR: 0.10 (0.03-0.29)),面会時間が長い人ほど低い(OR: 5.80 (1.79-18.82))傾向がみられた。
結論 施設高齢者の家族介護者に精神的健康を害している人が存在することが示され,支援の必要性が考えられた。家族介護者の精神的健康の向上には,家族会などのサポートグループの紹介や,家族の面会に着目し入所者と家族介護者のコミュニケーションを促進する援助を行うことが,有効であると考えられた。
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© 2005 日本公衆衛生学会
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