日本公衆衛生雑誌
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総説
大腸がんの予防と魚・n-3 系多価不飽和脂肪酸 実験的研究と疫学研究の結果からの総説
木村 安美
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2006 年 53 巻 10 号 p. 735-748

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抄録
 大腸がんは経済的に豊かな先進国に多く,罹患率,死亡率ともに先進国におけるがんの 2 番目を占めている。日本においてもがん死亡の12%を占め,増加が著しいがんの一つである。従来から大腸発がんにおける欧米型食事との関連が重視されている一方で,大腸がん予防における魚・n-3 系多価不飽和脂肪酸の効果が注目されている。そこで本研究では,国際的に報告されている実験的研究,疫学研究を総合的にレビューすることにより,大腸がん予防の方策を研究・実践するための手がかりとすることを目的として,以下の結果の文献的考察を行った。
1. n-3 系多価不飽和脂肪酸と大腸発がんに関する実験的研究
 1) 異常腺窩巣(ACF)
 2) 結腸直腸腫瘍
2. 魚と大腸がんに関する疫学研究
 1) 生態学的研究
 2) 症例対照研究
 3) コホート研究
 4) 無作為割付臨床試験
 その結果,実験的研究では n-3 系多価不飽和脂肪酸は大腸がんに予防的であるという報告がほとんどであった。疫学研究では,魚が大腸がんに予防的に働くことを示唆する報告がある一方,そのような関連を認めなかった研究もあり,一致した結果は得られていない。実験的,疫学的知見を総合的に評価し,魚・n-3 系多価不飽和脂肪酸は大腸がんに予防的に働く可能性があると判断した。今後の疫学研究には,魚・n-3 系多価不飽和脂肪酸摂取量を正確に把握できる食事調査法を導入することや,バイオマーカーを用いることにより,曝露把握の精度を高める必要があると考えられる。
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© 2006 日本公衆衛生学会
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