2006 年 53 巻 7 号 p. 465-470
今日,ネットワーク,制度あるいは信頼関係や規範といった社会的要素はソーシャル・キャピタル(SC)と呼ばれ,かかる現象の可視化と計測化が試みられてきている。多くの研究によって SC が蓄積されている地域では人々の協調行動が生じ易いことが分かってきているので,SC の視点からヘルスプロモーション(HP)活動における協調行動を促進させ,より効果的な介入を行うことができる。SC 概念の理論的研究と実践経験の蓄積は,健康への多様な決定要因を協調行動によって改善しようとするヘルスプロモーション活動の有効性を高めることに大きく寄与するものと期待される。