抄録
目的 本研究は,新潟県中越地震(2004年10月23日マグニチュード6.8)の中心被災地の一つである小千谷市において,災害時における子供と小規模地域コミュニティにおける食環境の実態調査することを目的にアンケート調査を実施した。
方法 2007年11月~12月の間,市内の小中学校の児童・生徒の保護者1,221人を対象に,災害時における食生活に関するアンケート調査を行った。また同年 8 月に市内基幹避難所において震災当時を知る関係者らへの聞き取り調査を行った。
結果 有効回答率は,72.7%であった。地震発生から 1 週間の食生活に関する質問に対し「地域住民で集まり,共同で料理を作り食べていた」と回答した者と自家発電機の利用を回答した者との間に有意な関連がみられた。また 7 割近い回答者が,被災生活における生鮮食品の不足を回答した。
結論 自家発電機を利用した者は,地域コミュニティに参加し食事を共にしている傾向だったことが示唆された。また被災者は生鮮食品を中心とした品目の不足を感じながらも,ライフラインが完全に使用できない被災生活において,救援物資のみに依存した食生活ではなく,備蓄食料や地域コミュニティを同時に活用し,子供たちの食生活を維持していたことが示唆された。