日本公衆衛生雑誌
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原著
平均余命と加重障害保有割合(WDP)に基づく都道府県の2 次元分類と地域特性の比較検討
栗盛 須雅子福田 吉治大田 仁史
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2009 年 56 巻 8 号 p. 513-524

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抄録
目的 平均余命と加重障害保有割合(以下,WDP)に基づいて都道府県を分類し,地域保健医療福祉指標を用いてグループの地域特性を明らかにすることを目的とした。
方法 WDP は介護保険統計と効用値を用いて算出した。65歳平均余命と65~89歳年齢調整 WDP に関して階層的クラスター分析を行い,各クラスターと地域保健医療福祉指標との一元配置分散分析と Games-Howell 法による多重比較を行った。その後,クラスター間の変数の平均値の差からグループの特性を比較検討した。
結果 4 つのクラスター解を採用し,各グループは65歳平均余命と65歳以上年齢調整 WDP の平均値に基づいて,長余命低障害群,長余命高障害群,短余命低障害群,短余命高障害群と呼ぶこととした。男性は,長余命高障害群は老人医療費と介護保険給付額,および医師数が短余命低障害群より有意に高かった(順に,P<.01, P<.05, P<.01)。また,長余命高障害群は,心疾患死亡率と脳血管疾患死亡率が短余命低障害群より有意に低かった(順に,P<.01, P<.001)。 女性は,長余命高障害群は老人医療費と介護保険給付額が短余命低障害群より有意に高かった(それぞれ,P<.05)。また,長余命低障害群は,悪性新生物と心疾患死亡率が短余命高障害群より有意に低かった(順に,P<.05, P<.01)。
結論 都道府県を同じような地域特性をもつグループに分類し,他の自治体と比較検討し,グループの地域特性を明らかにすることは,地域の現状の客観的把握,施策の目標の設定,客観的な施策の評価に役立ち,意義があると考えた。
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© 2009 日本公衆衛生学会
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