日本公衆衛生雑誌
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原著
坂戸市小学6年生における家庭の果物入手可能性と摂取行動との関連
髙村 美帆大久保 公美佐々木 敏武見 ゆかり
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2010 年 57 巻 3 号 p. 175-183

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抄録
目的 現在,国内の果物平均摂取量は推奨されている200 g/日よりも少ない。そこで本研究では,埼玉県坂戸市小学 6 年生を対象に,家庭の果物入手可能性と果物摂取行動との関連を明らかにすることを目的とした。
方法 坂戸「食」スタディの一環として,2007年10月に市内の全13小学校の 6 年生659人を対象に各小学校で集合法にて調査を実施した(有効回答率92%)。習慣的な食物摂取状況を把握するために小学校高学年用簡易型自記式食事歴法質問票ならびに,健康状態,食知識•食態度•食行動•食環境の認知に関する自記式質問紙を用いた。家庭の果物入手可能性は,家に果物が“いつもある”,“ときどきある”,“あまりない”,“ぜんぜんない”の 4 肢で回答を求めた。家庭の果物入手可能性の回答肢別に,1 日あたりの果物摂取量,果物を食べることへの重要性の認識,セルフエフィカシーならびに家族の果物摂取頻度との関連を男女別に解析した。
結果 果物平均摂取量は,家に果物が“いつもある”児童が最も多く(男子54 g/1,000 kcal,女子65 g/1,000 kcal),次いでときどきある(31 g/1,000 kcal, 37 g/1,000 kcal),あまりない(16 g/1,000 kcal, 13 g/1,000 kcal),ぜんぜんない(9 g/1,000 kcal, 12 g/1,000 kcal)であった。家庭の果物入手可能性と果物摂取量との間に有意な関連が認められ,家に果物があるほど摂取量が有意に多かった(男女ともに傾向性の P 値<0.001)。また,家に果物があるほど健康のために果物を食べることへの重要性の認識(男子のみ P<0.001),セルフエフィカシー(男女ともに P<0.001)が高く,家族の果物摂取頻度(男女ともに P<0.001)も高いことが認められた。
結論 家庭の果物入手可能性は欧米の先行研究結果と同様に,果物摂取行動に関連する重要な要因であることが示唆された。
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© 2010 日本公衆衛生学会
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