日本公衆衛生雑誌
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57 巻 , 3 号
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特別論文
原著
  • Yuuzaburou KABA, Atsushi KAWAGUCHI, Takashi YANAGAWA
    2010 年 57 巻 3 号 p. 165-174
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/06/12
    ジャーナル フリー
    Objectives The study was performed to find factors in daily routines and living environments of male junior high school students that are linearly or non-linearly related to reduced visual acuity and to assess the strength of their relationships.
    Methods Data on daily routines and living environments were collected by questionnaire from 382 male junior high school students and these data are matched with records on visual acuity of each student measured at the annual school medical examinations. In addition to univariate statistical analysis, multivariate analysis was conducted by the spline logistic regression developed in this paper by modifying the similar technique for follow-up studies; the detail of the method is given in the appendix of this paper.
    Results A significant association was found between “viewing distance from a TV” and “reduced visual acuity” (P=0.004). There was also a significant interaction observed between “viewing distance from the TV” and “hair-obstructed eyes” (P=0.012). Furthermore, it was found that the adjusted odds ratio between the “reduced visual acuity” and “having 1~2 days of physical activity per week” relative to “having physical activity less than one day per week” was 0.27, which was statistically significant (P=0.022). While the adjusted odds ratio continued to decrease as the physical activity increased per week, this was not significant as compared to “having physical activity 1~2 days per week” (P=0.204).
    Conclusions Exercising 1~2 days per week outside of school can prevent reduced visual acuity. In addition, students should be encouraged to prevent hair from obstructing their eyes and they should view TV from a distance of more than 2.5 m, as such behavior can prevent reduction in visual acuity.
  • 髙村 美帆, 大久保 公美, 佐々木 敏, 武見 ゆかり
    2010 年 57 巻 3 号 p. 175-183
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/06/12
    ジャーナル フリー
    目的 現在,国内の果物平均摂取量は推奨されている200 g/日よりも少ない。そこで本研究では,埼玉県坂戸市小学 6 年生を対象に,家庭の果物入手可能性と果物摂取行動との関連を明らかにすることを目的とした。
    方法 坂戸「食」スタディの一環として,2007年10月に市内の全13小学校の 6 年生659人を対象に各小学校で集合法にて調査を実施した(有効回答率92%)。習慣的な食物摂取状況を把握するために小学校高学年用簡易型自記式食事歴法質問票ならびに,健康状態,食知識•食態度•食行動•食環境の認知に関する自記式質問紙を用いた。家庭の果物入手可能性は,家に果物が“いつもある”,“ときどきある”,“あまりない”,“ぜんぜんない”の 4 肢で回答を求めた。家庭の果物入手可能性の回答肢別に,1 日あたりの果物摂取量,果物を食べることへの重要性の認識,セルフエフィカシーならびに家族の果物摂取頻度との関連を男女別に解析した。
    結果 果物平均摂取量は,家に果物が“いつもある”児童が最も多く(男子54 g/1,000 kcal,女子65 g/1,000 kcal),次いでときどきある(31 g/1,000 kcal, 37 g/1,000 kcal),あまりない(16 g/1,000 kcal, 13 g/1,000 kcal),ぜんぜんない(9 g/1,000 kcal, 12 g/1,000 kcal)であった。家庭の果物入手可能性と果物摂取量との間に有意な関連が認められ,家に果物があるほど摂取量が有意に多かった(男女ともに傾向性の P 値<0.001)。また,家に果物があるほど健康のために果物を食べることへの重要性の認識(男子のみ P<0.001),セルフエフィカシー(男女ともに P<0.001)が高く,家族の果物摂取頻度(男女ともに P<0.001)も高いことが認められた。
    結論 家庭の果物入手可能性は欧米の先行研究結果と同様に,果物摂取行動に関連する重要な要因であることが示唆された。
  • 麻原 きよみ, 大森 純子, 小林 真朝, 平野 優子, 鈴木 良美, 荒木田 美香子, 大木 幸子, 岡本 玲子, 奥山 則子, 海原 逸 ...
    2010 年 57 巻 3 号 p. 184-194
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/06/12
    ジャーナル フリー
    目的 本研究は,保健師教育機関卒業時における技術項目と到達度について,実践現場で働く保健師と教育機関の教育者双方の合意に基づいて作成することを目的とした。
    方法 行政機関と事業所に所属する保健師197人,教育機関(大学,短大,専門学校)の教育者146人を対象として作成した技術項目の枠組みを用いてデルファイ法にて 2 回の質問紙調査を実施した。
    結果 ①技術項目は大•中•小項目で構成した。大項目は保健医療における公正の考え方に基づいて,A. 地域の健康課題を明らかにする(地域アセスメント,assessment),B. 地域の人々と協働して特定の健康課題を解決•改善し健康増進能力を高める(健康課題への対応,action),C. 地域の人々の健康を保障するために生活と健康に関する社会資源の公平な利用と分配を促進する(社会資源の保障,assurance)の 3 つを設定した。小項目の到達度は「Iひとりで実施できる」,「II指導のもとで実施できる」,「III学内演習で実施できる」,「IV知識としてわかる」の 4 段階とした。大項目 A と B については「個人/家族」と「集団/地域」を対象とした場合の 2 つの到達度を設定した。すべての小項目について,②第 1 回調査では回答者の70%以上が「非常に重要」,「重要」,「普通」と回答し,第 2 回調査では,回答者の90%以上が大•中項目と「適合している」と回答した。③第 2 回調査において,設定した到達度の段階に同意した割合が保健師,教育者共に採択基準である70%を超えたのは,全到達度93のうち71(76.3%)であった。それ以外については小項目の表現と到達度を検討し,最終的な技術項目は大項目 3,中項目 8,小項目59,到達度95となった。④最終的な技術項目と到達度では,大項目 A と B の「個人/家族」を対象とした場合の到達度は「I」の段階の設定が多いが,「集団/地域」を対象とした場合は「II」や「III」の設定が多かった。一方,大項目 C の到達度21のうち14(66.7%)は到達度「IV」の段階であった。⑤教育者の方が保健師に比べて到達度を高く設定し,より高度な技術を求める傾向がみられた。
    結論 本研究によって,保健師と教育者が合意した保健師教育機関卒業時における技術項目と到達度が明らかとなり,保健師教育並びに現任教育に適用できる可能性が考えられた。また,本研究で明らかとなった技術項目について,設定された到達度を満たす学生を育成するための教育体制並びにカリキュラムの検討が必要であると考えられた。
資料
  • 天本 優子, 足達 淑子, 国柄 后子, 熊谷 秋三
    2010 年 57 巻 3 号 p. 195-202
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/06/12
    ジャーナル フリー
    目的 研究目的は,1)睡眠と睡眠に関連する生活習慣における 1 か月間の通信制習慣改善法の効果を例数を増やして確認すること,および2)その改善効果に影響を与える要因を検討することの 2 点であった。
    方法 対象者は,職域で通信制睡眠習慣改善プログラムに参加した,入眠潜時(就眠時刻-就床時刻)と睡眠効率(睡眠時間/就床時間)に問題がある睡眠困難者178人であった。介入法は,小冊子の自己学習と自己設定した目標行動のセルフモニタリングという最小限の行動技法からなる簡便な方法であった。期間は 1 か月間で,やりとりは全て郵送で行われた。介入前後に自己記入式の質問票調査を実施した。介入前後の睡眠指標と睡眠に関係の深い生活習慣の変化を検討した。また,本法の効果に影響する要因を検討するために,対象者を入眠潜時および睡眠効率の平均改善値をカットオフ値として有効群63人と比較群115人に 2 分し,介入前の基本特性,睡眠指標,生活習慣および介入による変化を群間で比較した上で,さらにロジスティック回帰分析を行った。
    結果 介入後に,全体で睡眠時間が5.71時間から6.05時間に増加,入眠潜時は18分短縮し,睡眠効率は5.6ポイント向上するなど,先行研究と同等の短期効果が確認された。習慣については 9 項目中 8 項目で望ましくない行動を選択する人の割合が減少した。目標行動としての選択や達成率で群間の差はなかったが,習慣改善個数は有効群2.63個,比較群2.06個と改善群が有意に多かった。ロジスティック回帰分析により,「ベースライン時の入眠潜時」が大きい者,および「定期的な運動の改善」をした者の 2 要因が睡眠改善に影響していることが明らかとなった。
    結論 本法における短期効果が確認された。また,本法は介入前に入眠潜時が長く入眠困難を持つ者に対してより有用であること,睡眠指標の改善には特に定期的な運動習慣が重要な役割を持つことが示唆された。本研究の結果から,行動療法による睡眠改善教育は簡便な形であっても実施可能であり,その効果が期待できると考えられた。
  • 有馬 志津子, 矢山 壮, 三上 洋, 谷川 緑, 嶺岸 秀子, 田中 彰子, 千崎 美登子, 大石 八重子, 荻原 修代
    2010 年 57 巻 3 号 p. 203-213
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/06/12
    ジャーナル フリー
    目的 一般病院に勤務する病院看護師において,禁煙に有効性が示されている支援の実践状況とその関連要因を検討することを目的とした。
    方法 参加同意の得られた 3 病院に勤務している病棟と外来の看護師1,206人に無記名自記式質問紙を配布した。843人から回答が得られ(回収率69.9%),830人を分析対象とした。調査項目は基本属性,喫煙行動,仕事ストレッサー,禁煙支援方法に関する学習経験,害や支援法の知識,禁煙支援に対する態度,主観的規範,自己効力感,意思,禁煙支援(Five “A's”)であった。記述統計量を算出し,禁煙支援(Five “A's” 支援段階別)に影響を与える要因を検討するために重回帰分析を行った。対象者には口頭および文章にて,研究の主旨,匿名性の保持,データの厳重な取り扱いに関して説明を行った。
    結果 喫煙の有無を尋ねる(Ask)者は87.8%,禁煙を勧める者(Advice)は88.4%,禁煙する意思を評価する(Assess)者は67.5%,禁煙を試みることを支援する(Assist)者は66.6%,再喫煙を防止するために支援する(Arrange)者は53.3%であり,いずれの支援も全く行わない者は9.0%であった。禁煙支援(Five “A's” 支援段階別)を従属変数とした重回帰分析の結果から,実践率の低かった,禁煙する意思を評価する(Assist)こと,禁煙を試みることを支援する(Assist)こと,再喫煙を防止するために支援する(Arrange)ことには,特に禁煙支援への自己効力感,禁煙支援への意思,禁煙支援に対する態度が,有意に正の影響を与えることが確認された。しかし,関連する要因の単純集計の結果をみると,病院看護師は禁煙支援へ積極的な態度をもち,その意思は高かったが,自己効力感は低かった。
    結論 喫煙習慣を尋ね,禁煙を勧めることは実践されていても,禁煙へ意思を評価し,関心度に合わせて支援していくことは,十分実践されていないことが把握された。実践率が低かった,禁煙への意思を評価し,関心度に合わせた支援を推進,強化するためには,自己効力感を高めることが必要であり,看護継続教育において自己効力感を高めるトレーニングプログラムの普及が課題である。
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