日本公衆衛生雑誌
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救急搬送記録を用いた転倒・転落記録状況の調査 発生場所および発生時期の検討
吉本 好延三木 章江浜岡 克伺大山 幸綱佐藤 厚
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2010 年 57 巻 5 号 p. 403-409

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抄録
目的 本研究の目的は,全国の消防本部の救急搬送記録を用いて,救急搬送を伴った転倒・転落状況について,性別・年齢層別に検討を行うことであった。
方法 調査期間は平成19年の 1 年間であった。対象は,全国の消防本部37機関の救急隊員により搬送が行われた転倒・転落31,002件(男性14,802件,女性16,200件)とした。調査項目は,受傷者の性別,年齢,転倒・転落の発生場所,発生月,発生季節,転倒・転落後の傷病程度の計 6 項目とした。
結果 人口1,000人当たりの転倒・転落搬送件数は,高齢層ほど高く,後期高齢者15.9件,前期高齢者6.3件,成人1.9件であった。転倒・転落搬送割合の最も高い場所は,全ての性別・年齢層で住宅であり,次いで,男性は道路以外の屋外,女性は公衆出入場所の順であった。転倒・転落搬送割合の最も高い季節は,男性の後期高齢者を除く全ての性別・年齢層で冬季であり,転倒・転落搬送割合の最も高い月は,男性の後期高齢者を除く全ての性別・年齢層で12月であった。転倒・転落後の傷病程度が重症以上の受傷者の転倒・転落搬送割合は,男女共に若年層より高齢層で高い傾向を認めており,女性の後期高齢者における重症以上の転倒・転落搬送割合は,女性の成人の2.8倍を認めた。
結論 救急搬送を伴った転倒・転落は,受傷者の性別や年齢層によって転倒・転落の発生原因に違いがあると推察された。
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© 2010 日本公衆衛生学会
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