日本公衆衛生雑誌
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原著
日本人成人における二重積屈曲点(DPBP)から評価した最大下有酸素性作業能力
松原 建史柳川 真美山口 靖子大藤 直子進藤 宗洋小池 城司
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2011 年 58 巻 3 号 p. 168-175

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抄録
目的 本研究は,一般日本人成人における二重積屈曲点(以下,DPBP; double product break point)相当の代謝当量(単位は METs)から評価した最大下有酸素性作業能力レベルを調べ,安全かつ効果的に行える平均的な運動強度を明らかにすることを目的とした。
方法 DPBP による運動処方コースを受診した438人(男性123人,平均年齢53.5±17.0歳,女性315人,52.8±12.5歳)を本研究の対象とした。DPBP の測定は自転車エルゴメータによる漸増運動負荷試験を行い,運動負荷試験中の心拍数と収縮期血圧の積である二重積(DP)が,仕事率の増加に伴い急増する点を DPBP とした。
結果 DPBP 相当の代謝当量は男性と女性で,それぞれ5.3±0.9 METs と4.9±0.7 METs であり,研究対象者のうち87.2%が 6 METs を下回っていた。
結論 本研究により一般日本人成人では,中等強度であっても階段上がり(8 METs)など種類によっては健康づくりとしては不適当な運動になることが示唆された。心疾患のリスクが疑われる者などに,健康づくりを目的とした運動の強度を設定する際は,6 METs を上限強度とし,運動時 HR や自覚的運動強度(RPE; ratings of perceived exertion)も目安に総合的な判断が必要であると考えられた。
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© 2011 日本公衆衛生学会
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