日本公衆衛生雑誌
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高齢者入所施設における肺炎球菌ワクチンのインフルエンザワクチンとの同時接種及び再接種に対する認識と対応についての調査
広瀬 かおる續木 雅子林 嘉光鈴木 幹三
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2012 年 59 巻 6 号 p. 407-414

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抄録
目的 高齢者の肺炎予防のために23価肺炎球菌ワクチンの接種が勧奨されているが,その接種率は低い。2009年10月に新型インフルエンザ予防強化策のひとつとして肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種および肺炎球菌ワクチンの再接種が承認されたことを受け,愛知県内の高齢者入所施設における肺炎球菌ワクチンの同時接種•再接種に対する認識と対応などについて調査を実施した。
方法 愛知県内の全高齢者入所施設(716施設)を対象に郵送で,施設の特性,肺炎球菌ワクチンの再接種やインフルエンザワクチンとの同時接種に関する情報の認識,施設における取組み,2009年10月以降の季節性インフルエンザワクチン,新型インフルエンザワクチン,肺炎球菌ワクチン接種者の有無などに関する無記名の質問票調査を2010年 7 月に実施した。
結果 392施設(54.7%)から回答が得られた。インフルエンザワクチンとの同時接種が認められたことを認識しているのは介護老人保健施設で79.2%と高かったが,全体では45.4%であった。再接種を認識している施設は31.7%と低かった。肺炎球菌ワクチン接種者ありと回答のあった施設は172施設(44.3%)であり,同時接種者ありの施設は26施設(6.8%),再接種者ありの施設は14施設(3.7%)にとどまっていた。同時接種を認識していない施設においては肺炎球菌ワクチン接種者ありと回答した施設は37.0%であるのに比し,認識している施設では52.3%と有意に高かった。
結論 肺炎球菌ワクチン接種に関する情報を認識することが,各施設における肺炎球菌ワクチンの同時接種や再接種の積極的な勧奨や接種状況に反映される可能性が示唆された。各自治体は高齢者における本ワクチンの公費助成を検討するとともに,これらの情報を医師会と協力して周知徹底する必要がある。
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© 2012 日本公衆衛生学会
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