日本公衆衛生雑誌
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原著
高齢者の動態的な健康ライフを生命・生活・人生の3次元で捉える主観的QOL尺度の作成ならびにその信頼性と妥当性の検討
吉田 真二, 山崎 喜比古
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2021 年 68 巻 4 号 p. 241-254

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抄録

目的 高齢者のQOL支援のため,健康かつ前向きに生きる力概念を包含した動態的なライフを生命・生活・人生の3つの次元で捉える主観的QOLを測定する尺度の開発を試み,その信頼性と妥当性を検討することである.

方法 文献調査,慢性疾患患者へのインタビューを行い項目を作成し,3つの次元各々が1項目ずつの計3項目から成る主観的QOL尺度を完成させた.本尺度は,質問項目に参照期間を設け,誰にでもある生活や人生の浮き沈み双方の日数比をVisual Analogue Scale(VAS)による7件法で自己評価を行うものである.本調査では,病院の外来患者や,地域包括支援センターなどの紹介によりリクルートした70~84歳の在宅高齢者100人を対象に,他記式質問紙調査を行った.信頼性の検討は,Cronbach α(以下α),Item-Total(以下I-T)相関分析,項目削除時のα係数の算出により行った.内容妥当性の検討は,自由回答の内容分析に依った.構成概念妥当性の検討は,階層的重回帰分析を行い,抽出された主観的QOLの関連要因の意味内容を検討し,また先行研究との一致も確認した.

結果 信頼性の分析では,α係数は0.898であり,I-T相関と項目削除時のα係数のいずれも基準値をクリアできており,一定の信頼性が確認できた.内容妥当性の検討では,3つの次元各々で抽出したカテゴリは共通性と固有性からなることがみてとれ,ともにQOLの各次元の概念の特徴を示しており,内容妥当性が概ね確認できた.構成概念妥当性の検討では,就労している者,役割や経済的にゆとりが有る者,利用中の介護サービスが1つの者よりも2つ以上の者,主観的健康管理能力やソーシャルネットワーク,Sense of Coherence(以下SOC)が高群の者は主観的QOLが有意に高かった.また,主観的QOLは,SOCの有意味感と経済的にゆとりが有ることとに有意な関連性がみられ,これらの結果は先行研究と一致しており,構成概念妥当性が確認できた.

結論 本尺度の信頼性と妥当性が概ね確認でき,使用可能性が示された.

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