日本公衆衛生雑誌
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原著
都市部の妊婦における夫婦関係と産科履歴および身体的・心理社会的要因との関連:妊娠への適応の観点から
川村 恭子, 玉上 麻美
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2023 年 70 巻 5 号 p. 289-299

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抄録

目的 都市部における妊娠中の夫婦への支援について示唆を得るため,妊娠への適応の観点からみた夫婦関係と,妊婦の産科履歴,および身体的・心理社会的要因,特性との関連を明らかにすることを目的とした。

方法 関西地域の4指定都市で開催されたA公益財団法人主催の産前教室に参加した妊婦に対し,特性,産科履歴,身体的・心理社会的要因,日本語版Prenatal Self-Evaluation Questionnaire[夫との関係](J-PSEQ)を問う無記名自記式質問紙調査を実施した。778人に調査を依頼し,413人(53.1%)から回答を得た。除外基準を適用し,388人(有効回答率93.9%)を分析対象として,J-PSEQ得点による夫婦関係の不良群と普通・良好群の2群化を行い,ロジスティック回帰分析により,妊娠への適応の観点からみた夫婦関係に関連する要因を検討した。

結果 J-PSEQ得点による2群は,不良群93人(24.0%),普通・良好群295人(76.0%)であった。ロジスティック回帰分析の結果,不良な夫婦関係に対するオッズ比(信頼区間)は,「不妊治療による妊娠」2.54(1.38–4.66),「怒りやすく,イライラする」3.55(1.86–6.78),「夫の健康状態:やや悪い」3.54(1.06–11.87)であった。経済面,夫の労働状況,サポート不足を最もストレスに感じる要因と記述したのは,夫婦関係が不良な妊婦に多かった。普通または良好な夫婦関係に関連する要因は,妊婦に身体的不快症状があること,里帰り出産をしないこと,夫の産後休暇取得,夫の良好な健康状態であった。

結論 都市部における妊娠への適応の観点からみた不良な夫婦関係に関連する要因は,不妊治療による妊娠,妊婦の怒りや苛立ち,夫の健康不良であることが示された。専門職者は妊娠期にこれらの夫婦への支援を焦点にする必要がある。

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