抄録
種々のVを含む複合酸化物触媒のイソブタン酸化について調べた。Mg2V2O7, MgV2O6, Mg3V2O8触媒は300℃ 以上で活性を示した。Cu2V2O7, CaV2O6の活性は中程度でBiVO4, Ca7V4O17の活性は低かった。一部の酸化物は比較的強い酸点を有していた。強い酸点量, 弱い酸点量よりも両方の酸量の合計と触媒活性の間にはよい直線関係が見られた。これより, 反応の律速過程はイソブタンの3級炭素に結合している水素の酸点による引き抜きと推定された。Mg1.8M0.2V2O7のMをMn, Cr, Fe, Co, Niで置換した触媒は選択性を変化させることなく活性が向上した。これらの金属イオンの導入は触媒の格子酸素の活性を向上させた。
W/Fを小さくしていくとイソブテンの選択率は上昇し100%に近づいた。これより, この触媒上ではイソブタンの酸化的脱水素が第1段目の反応であり, 並発的なCOxへの酸化分解過程は存在しないことが推定された。