Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
チタン修飾USYゼオライトを用いた残油水素化分解触媒の開発(第3報)Al再挿入USYゼオライトを用いた触媒の調製および活性評価
本名 幸作荒木 泰博榎本 敏行吉本 昌雄西村 陽一島田 広道
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2005 年 48 巻 4 号 p. 189-196

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抄録

中間留分選択性の高い残油水素化分解触媒の開発を目的として,メソポア容積が大きく,高Si/Al比(Si/Al=130)のUSYゼオライトを出発原料とする触媒を調製し,アラビアンヘビー常圧残油(AH-AR)の水素化分解活性評価を行った。触媒調製は,USYゼオライトをエチルアルコールに浸せきした後,アルミン酸ナトリウム水溶液処理を用いてアルミニウムを再挿入することで固体酸点を導入した。エチルアルコール浸せきにより,Al再挿入工程でのゼオライトの構造破壊が抑制されることが分かった。ついで,チタンイソプロポキシドのエチルアルコール溶液を用いてチタン修飾し,さらにパラモリブデン酸アンモニウム水溶液を用いた平衡吸着法によってモリブデンを担持した。得られた触媒(MTAZ)は水素化分解反応評価において,前報で報告したチタン修飾USYゼオライト触媒(MTZ)よりもさらに優れた中間留分選択性を示した。MTAZの中間留分選択性が高い原因は,メソポアが豊富であることに加えて,Al再挿入が主としてメソポア表面で起こったため,ナフサ,ガス生成の原因となるマイクロポア内酸点が少ないためであると考察された。

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© 2005 公益社団法人石油学会
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