抄録
常温常圧条件で,ホルムアルデヒドを還元してメタノールを合成する新規な反応系の確立を目的として,水溶性亜鉛ポルフィリンの可視光増感作用によるNAD+の還元反応とアルコール脱水素酵素(ADH)とを利用した,ホルムアルデヒドからの光学的メタノール合成反応系を構築した。トリエタノールアミン,亜鉛ポルフィリン,メチルビオローゲン,ホルムアルデヒド,ジアホラーゼ,NAD+を含む系にタングステンランプを用い可視光照射したところ,NAD+が還元されNADHが生成した。光照射時間3時間後のNAD+からNADHへの変換効率は約60%であった。この系にADHを添加し,光照射すると定常的にメタノールが生成した。光照射3時間後のメタノール生成量は0.38 μmol·dm-3であった。